Point!
・法要は無理のない予算設定で
・「香典」は相互扶助のしきたり
法要という節目を大切に
葬儀も家族葬が増えるなど、葬儀、法要は全体的に縮小、省略の傾向が強くなってきています。しかし、四十九日法要は、大きな節目でもありますし、納骨を含む場合もあるため、ほぼ行われます。
法要のあり方についてもあまり大げさにしたくない、残された家族の生活が第一、という考えもあれば、思い入れの深い家族の法要は立派にしたいという考えもあります。親族でよく話し合って決めましょう。どのように法要を行うかで予算は大きく変動します。
法要にかかる費用の目安
僧侶に対し
お布施…一般的に葬儀の際のお布施の1割程度。3~5万円程度。納骨式も行った場合は、別にそのお布施を3~5万円。
祭壇…3万円程度。
御車代…会場や自宅に来ていただいた場合。1万円程度。
御膳料…会食を辞退された場合。5000~1万円。
卒塔婆(そとば)料…卒塔婆供養を行った場合。1本3000~5000円。
引き物と会食費
引き物…3000~5000円。
会食費…3000~1万円。料理のグレードにより大きく変動。
折詰…会食をしない場合。5000円程度。
会場費…ホテルの部屋などを借りた場合。3~5万円程度。
香典返しの意味と意義
最近では、いただいた香典に対してそれぞれのランクに応じた「カタログブック」を返礼することが流行しています。確かに合理的な方法かもしれませんが、贈答儀礼の最も形骸化した一面であるといえます(返礼品を香典を出した本人に選ばせるわけですから、喪主は無関与です)。
「香典返し」とは、いただいた香典に対する返礼という解釈がなされ、かつてマナーの大家が「半返し」などと根拠のないことを流布したことにより、それが世の通例になりました。
本来、「香典」自体は、字のごとく「香」など、葬儀に欠かすことのできない物品を「典ずる(奉げる)」ことで、以前は米やその他の食品、または自身の「労力」を提供することでした。それは共同体における相互扶助のしきたりで、決してその場でお返しを期待するものではなく、後日葬儀の際に同じような扶助を得ることで双方の納得がなされていたものです。
それが日本の「贈答慣例」と重なり、お返しが通例化、それを当初は地元の商店や百貨店など、葬儀社とは無関係な市場として成立していました。葬祭ビジネスに返礼ギフトが組み込まれたのは最近のことです。葬儀社の斡旋としてビジネス拡充された極みがカタログブックといえるでしょう。
香典を受け取らない人もいる
現代では、「香典自体の授受を辞退する」事例も増え、慣例化や通例化を見直す人も出てきました。それどころか、香典や会費を育英基金や災害支援などに寄付したり、故人らしい返礼や自筆カード、記念品や思い出のCDなどを香典返しに選んだりしてメモリアル化する人もいるようです。