新しい埋葬の形

Point!
・「お墓」にこだわらない埋葬が増えている。
・故人の希望と供養する側の納得を両立して

現代の事情に即して多様化する埋葬
少子高齢化が進み、都会への人口集中が加速する現代、お墓についてもその影響は大きいものがあります。お墓の承継者である子ども世代が都心に住んで、実家の家族もいなくなるとお墓参りにも足が遠のきます。法要ともなると時間も費用も大きな負担となってしまい、お墓の維持だけでも苦労します。
それでは現在の住まいの近くに改葬しよう、ということになっても都心では故郷と同様の墓地を探して購入するのも大変です。

先祖代々で同じ墓に入るという意識は希薄に
お墓は守り受け継いでいくもの、という考え方も現代では次第に薄れつつあります。P108でも紹介したように、自分が死亡したときに先祖代々のお墓に入りたいという人は男性で20%程度、女性では5%程度しかいません。「家族で」「夫婦で」1つのお墓に入りたいという人が多いのですが、「1人きりのお墓」を希望する人も4%弱、「お墓には入りたくない」という人も10%程度います。誰とお墓に入るか「こだわりはない」という人も20%程度いるようです。お墓を承継する苦労、負担を子ども世代にさせたくないと考える人も増えています。
価値観の多様化が進んだ現代では、お墓の形、埋葬の方法も多種多様になってきました。

納骨堂の利用者が増加
かつての納骨堂は、何らかの理由で埋葬できない遺骨を一時的に預かるところ、というイメージでした。しかし現代では、お参りしやすい、お墓の形にこだわらない、承継者に負担をかけたくないといったさまざまな理由で納骨堂を利用する場合が増えています。

納骨堂の収蔵期間
納骨堂の運営は、墓地と同様に、公営、民営、寺院が行っています。寺院以外は宗教宗派を問いません。
収蔵期間は主に次のような3種類があります。
●お墓ができるまで一時的に預かる
●数年の期間を決めて管理してもらう。更新が可能
●永代供養。三十三回忌などの区切りでほかの遺骨と合葬されることが多い

ニーズに合わせて多様化している
納骨堂の形はさまざまで進化・多様化してきています。

納骨堂利用の注意点
便利で費用も抑えられる納骨堂ですが、次のような注意点も。それぞれの施設で違いがあるので確認しましょう。
□個別に参拝できない場合もある。
□お花や供物(くもつ)、線香に制限を設けている場合がある。

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