故人の希望の地へ散骨

散骨は墓地に埋葬するのではなく、遺骨を細かくして希望の地に撒くというものです。樹木葬と同様「自然に還る」という意味合いと同時に、故人の思いの残る地に還したいという意味もあります。生まれ育った地、思い出の深い地で眠りたいという希望に沿う埋葬の形です。
散骨する場としては、陸(地)、海(川)などがあります。法律上は散骨を禁止する場所はありませんが、条例で制限されている所もあるので、私有地に勝手に撒くことはできません。海洋に散骨する場合は、船の手配も必要です。まず、何より遺骨をパウダー状に細かく砕かないと法律上散骨はできないので、業者に相談するのが確実です。

「死んだら星になる」をかなえる宇宙葬
散骨の場は、もはや地球上だけにとどまりません。宇宙に散骨するという夢のようなことも現実になりました。
巨大なバルーンやロケットに遺骨を乗せて運ぶことで、成層圏で散骨できます。
また、人工衛星に乗せ、地球を周回したうえで大気圏に突入して、まさに流れ星となる、という方法もあります。モバイルアプリで人工衛星の位置を確認したり、人工衛星から見た地球の姿を見たりすることもできます。
アメリカの企業では、月面まで遺骨を運ぶという計画もあります。

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散骨をする際の注意点
散骨をするためには、遺骨を2mm以下の大きさに細かくしなければなりません。遺族が行ってもいいのですが、技術的にも難しく、気持ちのうえでも抵抗が大きいので、業者に依頼するケースがほとんどです。また、散骨を行うにも、分骨して一部を思い出のよすがとして手元に残すことが多いです。親族の中には、お墓など供養の対象がなくなることに抵抗を感じる人もいるので、事前によく説明をしましょう。

いつも身近に、手元葬
遺骨は、埋葬しなければならないという決まりはありません。遺骨すべてを自宅に残したり、埋葬、散骨した場合でも、遺骨の一部を分骨して手元に残し、日々身近に感じながら供養するという方法もあります。
分骨は遺族が行ってもかまいませんが、将来的にお墓に納める可能性がある場合は、火葬場や墓地で行い、「分骨証明書」を発行してもらう必要があります。

デザインの豊富な骨(こつ)壺(つぼ)やアクセサリーに加工して身近に
自宅に置く骨壺も、デザインが豊富で住居のインテリアになじむものがたくさんあります。また、オブジェや人形のようなメモリアルグッズに少量の遺骨を納め、日常の生活スペースに飾るということもあります。
ほかに、アクセサリーの中に遺骨を納めたり、遺骨そのものをジュエリーのように加工してアクセサリーにしたりして身に着けるなど、身近に置くこともできます。
骨壺やオブジェ、使用していないときのアクセサリーを置く専用の台やボックスもあります。

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手元葬をする際の注意点
散骨と同様「お参りをする形」がないことに抵抗感を覚える親族もいるので、事前の説明は必須です。アクセサリーやオブジェに納める遺骨はほんの少量です。遺骨が余らないよう、事前にデザインや大きさをよく検討して分骨しましょう。

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