四十九日から埋葬までのギモン
「こんなときはどうする?」「何のこと?」など、よくある疑問をQ&A方式で解説します。
Ⓠ宗教の違う親と同じお墓に入れますか?
A.公営や、宗派を問わない民営墓地ならばそのまま同じお墓に入れます。寺院墓地の場合は、子どもが改宗を求められたり、そのまま入れても法要はその寺院のやり方で行われたりします。宗派を問わない墓地への改葬も考えながら、菩提寺の僧侶に相談しましょう。
Ⓠオリジナルの墓石を建てたいのですが、どうすればいいですか?
A.本来墓石の形に決まりはありません。一般的なお墓と違うものを建てたいときには、石材店に石材や技術的に可能かどうか相談します。デザインや費用、工期など納得するまで打ち合わせましょう。あとで同じお墓に入る可能性のある家族の了承も必要です。
Ⓠ神式やキリスト教でも香典返しはしますか?
A.香典とは本来、線香の代わりのお金のことなので、仏式の言葉です。ただ、神式やキリスト教でもお返しの品を送ります。神式では五十日祭の忌明け後、キリスト教では死後1か月の召天(昇天)記念日、記念式のあとに送ります。
Ⓠマンションなので仏間がありません。仏壇はどこに置けばいいですか?
A.家族が集まりやすく明るい雰囲気の場所がいいでしょう。いつも誰かの目の届くところが理想です。直射日光や湿気、エアコンの風は仏壇を傷めるのでなるべく当たらないように。温度が低すぎたり高すぎたりするところも避けましょう。
Ⓠ墓地の年間管理料には何が含まれますか?
A.年間管理料は、墓地内の参道や緑地、トイレ、水道といった共有部分の管理のためのお金です。各区画の中の掃除や草むしりなどは含まれません。もし、必要な場合は別料金で行ってくれる墓地や代行業者もあります。
Ⓠ生前、疎遠だった父が事故死。警察からの要望で遺体を引き取りましたが、参列者もいないので直葬ですませました。この場合、四十九日などの法要は必要ですか?
A.法要は故人を偲んで供養するものです。義務的にしなくてはならないものではありません。本人も親成一同も「儀式」を望んでいないのであれば必要はないでしょう。
Ⓠ私は長男で代々のお墓を承継しているのですが、母と不仲だった妻は、死後は我が家のお墓に入りたくないといいます。どうすればいいですか?
A.誰がどこのお墓に入れるか入れないかは、法律で決まっているわけではないので話し合いで決めるしかありません。妻が姑と同じ墓に入りたくないのであれば、たとえば妻だけ実家の墓に入る、夫婦で新しい墓を作る、散骨や納骨堂を利用するなどがあります。しかし、妻の実家も継いでいる家族があるでしょうから、そちらの了承を得ないといけません。新しいお墓を作ると費用もかかります。妥協案としては、カロート(納骨部分)をリフォームして2世帯住宅のように分けて納骨するということもできます。
Ⓠ同じ年に複数の法要が重なった場合はどうすればいいですか?
A.1年に2つ以上の法要が予定される場合は、まとめて行うことができます。これを「併(へい)修」「合(がっ)斎(さい)」といいます。早いほうの祥月命日に合わせて法要します。ただし、三回忌までは単独で行います。併修で早めた場合も、本来の命日に家族で供養しましょう。
Ⓠお墓を受け継ぐ人はどのように決められますか?
A.お墓を受け継ぐ「承継者」は次のような順位で決まります。承継者は、管理料を支払い、墓地を維持します。また、年忌法要を主宰します。
①故人遺言による指定者。血縁者にこだわらない。
②慣習により、長男や配偶者など身内の中で決める。
③家庭裁判所に調停、審判の申し立てをし、決定を委ねる。