葬儀の事前知識について「臨終を迎えたら」

病院で亡くなった場合

現在、自宅で息を引き取る人は少数派で、80%以上が病院や診療所で亡くなっています。
病院では、心臓と呼吸が停止したときに医師により「臨終」が宣告されます。その場にいる家族や親族は医師や看護師の指示に従って、逝く人を送る儀式「末期(まつご)の水(死に水)」を取ります。故人との血縁が濃い人から、その場にいる全員が順番に行います。その後、遺体を清めて死後の処置を行い、衣服を着替えさせます。看護師や葬儀社がやってくれる場合もありますが、家族が故人にしてあげられる最後のお世話なので、手伝いたい場合は申し出ましょう。
最後に家族の手で死化粧(しにげしょう)を施します。着替えや死化粧は遺体を自宅や斎場に運んでから行う場合もあります。

自宅で亡くなった場合

近年、自宅で亡くなる人は少なくなっていますが、臨終には医師の立ち会いが必要です。「死亡診断書」を書いてもらうためです。本人の遺志(→P38)も含め、自宅で看取る場合は、死亡診断書を書いてくれる医師を事前に見つけておきます。元気だった人が突然亡くなったような場合には、119番に連絡をして救急車を呼びます。脈がない場合は甦生(そせい)処置が行われ、甦生しなかった場合は警察による事情聴取が行われます。警察の調査後、犯罪性がないと判断されると「死体検案書」が作成され、ようやく遺体を動かすことができます。
救急車を呼んで、病院へ搬送された場合は、病院で死亡確認などが行われます。

臨終後に行うこと

①末期の水

本来は息を引き取る間際に肉親が唇を湿らせてあげる行為のこと。この水で生き返ってほしいとか、死後の世界でのどの乾きに苦しまないようにという願いを込めて行うものです。配偶者から、血縁の濃い肉親の順で立ち合った全員が行います。

末期の水の取り方

箸の先に脱脂綿を巻いて糸でくくったものに水を含ませて口を湿らせます。

②遺体を清める

「湯灌(ゆかん)」ともいい、故人の現世での苦しみや迷いを洗い清める意味があります。以前は湯で全身を清めましたが、看護師や葬儀社がアルコールを含ませたガーゼなどで全身を拭く「清拭(せいしき)」が一般的となりました。耳や鼻には脱脂綿を詰めます。

③衣服を着替える

新しい浴衣や故人の愛用していた服を着せます。和服の場合は襟の打ち合わせを左右逆の「左前」に着せます。これは、あの世とこの世ではすべてが逆と考えられているからです。

④死化粧

男性ならひげをあたり、女性はお化粧をします。最近はエンゼルメイクと呼ばれることもあります。

北斎場のお葬式の葬儀プラン

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