Point!
・後飾り壇に遺骨を安置する
・初七日法要を営む
・精進落としを行う
祭壇に遺骨を安置する
火葬されて自宅に戻った遺骨は、位牌、遺影と一緒に、四十九日の忌明けまでは「後飾(あとかざ)り壇(だん)」という祭壇を設けて安置します。
後飾り壇は「中陰壇(ちゅういんだん)」ともいわれ、香炉や燭台などの仏具を置き、生花や果物を飾ります。後飾り壇は葬儀社が用意してくれます。
遺骨を家に迎え入れる儀式を「還(かん)骨(こつ)法要」といいます。宗派によっては「還(かん)骨(こつ)勤行(ごんぎょう)」ともいわれます。
還骨法要では、安置した遺骨の前で読経を行い、そのあと遺族が焼香します。
初七日(しょなのか)法要を行う
「故人が亡くなった日を含めて7日目に、「初七日法要」を行います。故人があの世に旅立っていけるように供養する、最初の追善法要になります。
最近は、この法要を繰り上げて、火葬の前後や還骨法要に続けて行うことが多くなりました(→P68)。初七日の読経と焼香後には、僧侶や近親者を招いて会食するのが一般的です。
精進(しょうじん)落としで労をねぎらう
初七日のあとの会食を、「精進落とし」といいます。本来、精進落としは、四十九日の法要のあとに設けるものです。四十九日までの服喪期間は、魚肉類を断って精進する習慣があり、それが終わって普通の生活に戻る区切りとして、精進落としの席を設けました。
今では、宗教的というよりも、通夜から葬儀までお世話になった人へのねぎらいの意味のほうが強くなっています。
精進落としは、葬儀を行った斎場や料理店、自宅などで行います。自宅の場合、後片付けがいらない仕出しや弁当を頼むことが多いようです。斎場や料理店で行うときも、位牌、遺骨、遺影を飾り、陰(かげ)膳(ぜん)を供えます。
ねぎらいの席なので、僧侶や相談相手になってくれた人、受付係や会計係をしてくれた人などに上座に座ってもらい、もてなします。会食の前に、喪主があいさつをして、葬儀が滞りなく終わったことを感謝します。
精進落としての喪主のあいさつ(例)
皆様、本日は長時間にわたり、故人をお見送りいただき、ありがとうございました。ご導師(どうし)さま※をはじめ、皆様にご供養いただき、無事に葬儀一式を終えることができました。
夫は茶毘(だび)にふされ、あの世に旅立ちましたが、これからも私たちを見守ってくれることでしょう。
ささやかではございますが、感謝の気持ちとして、精進落としのお食事を用意しました。ゆっくりお過ごしください。
※葬儀などを行う僧のこと。