遺品整理と形見分け

Point!
・遺品は、形見分け・保管・処分に分類
・形見分けは相手に合わせる

気持ちの整理がついたころに遺品整理を
遺品整理をするために決まった時期は特にありません。遺族の気持ちが落ち着いてきたとき、または忌明けを目安にします。ただ、故人の住居が賃貸だった場合には急いで明け渡す必要があります。トランクルームなどにいったん移すという方法もあります。
遺品は主に、形見分けするもの、保管するもの、処分するものの3つに分類します。遺言書に記載がある場合は、それを最優先します。
故人の住所録、手帳、手紙、日記、家計簿などは、あとで必要になる場合もあるので、しばらく保管します。生命保険証書や年金手帳、権利関係や貸借関係の書類、実印なども数年間は保管しましょう。また、処分するかどうか迷った場合は、いったん保管しておいたほうが無難です。
なお、蔵書、趣味で集めた資料、作品、道具などは、図書館などの公的機関や研究機関に寄贈することもできます。寄贈先は市役所などで相談に乗ってくれます。

業者に依頼する手段も
遺族が遠方に住んでいたり、整理が難しかったりする場合は、遺品整理業者に依頼することもできます。部屋の広さや遺品の量で費用が決まります。廃棄物の処理法などの知識をもつなど、一般ではわかりにくいことも処理してくれますが、なかには悪徳な業者もいるので、事前に評判を確かめる、見積りを出してもらうなどの注意が必要です。

デジタル遺品について
故人が、パソコンや携帯電話などに保存した情報を「デジタル遺品」といいます。写真や動画、文章、インターネットバンキングの口座やSNSやブログの記録なども含まれます。どのデータがどこに保存されているのかなど、事前に確認しておくとスムーズです。

形見分けの時期に決まりはない
「形見分け」は故人の衣服や愛用品を親族や友人などで分け、故人の思い出とすることです。
その時期に決まりはありませんが、四十九日などの法要で集まったときに渡すことが多いようです。キリスト教では形見分けのしきたりはありませんが、日本では追悼ミサなどのときに行うことが多いです。
また、形見の品も遺産の一部です。相続税にも関わり、相続人が複数いる場合はトラブルとなることもあるので、遺産分割を終えてからにします。

受け取り手の年齢や好みなどを考慮する
誰に何を形見分けしたらよいか、これも決まりはありません。年齢や好みを考え、たとえば、趣味の近い友人だったらその趣味に関係したものを分けます。
衣服はクリーニングをすませ、あまり傷みがひどいものや安価なものは避けます。逆に高価なものは贈与税がかかるおそれもあるため、確認しておきましょう。かつては目上の人には形見分けをすると失礼にあたるとされていましたが、最近では希望がある場合は差し上げてかまいません。
故人を思い出すのがつらい、などさまざまな理由で辞退される人もいます。その場合は、無理強いしないようにしましょう。

形見分けの際の注意点
●遺言書にあるものは最優先
●遺産分割を完了させておく
●相手の好みや年齢に応じて
●年配者にも希望があったら渡す
●衣服はクリーニングを
●安価なもの、高価すぎるものは避ける
●包装はしない
●無理に渡さない

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