Point!
・既成概念にとらわれないお墓作りを考える
・墓地探しは足を運んで
自分たちが供養しやすいお墓作りを
かつてお墓は先祖代々受け継がれるものでしたが、核家族化が進んだ現在、維持の難しいお墓が増えています。
そのうえ「お墓は血縁者(長男)が承継すべき」や「家族は同じ墓に入るもの」という固定観念も残っているため、お墓をどうしたらよいか悩む人も少なくありません。
暮らしの変化とともに、供養のしかたも多様化しています。お墓の悩みを解決するためには自分たちが供養しやすいお墓作りをすることです。
お墓作りの5つの考え方
①改葬し、近くに写して供養する。
②維持・管理は血縁者にこだわらない。
③お墓は「墓石を建てる」ことではない。納骨堂などの利用も考える。
④夫婦、家族でも同じ墓に入る必要はない。
⑤分骨、散骨を利用して、遺骨の保管を容易にする。
情報収集で理想の墓地を見つける
まず墓地探し。理想の墓地を見つけるために情報収集は必須です。
インターネットを使えばある程度の情報を得られますが、苦手な人は、役所、石材店、葬儀社などでパンフレットを入手し、立地条件、周囲の環境、設備、管理会社の経営概要などを比較検討しましょう。
①立地条件と周辺環境の確認
墓地はお参りのしやすさが最重要です。現地に足を運び、次のようなことをチェックしましょう。
●自宅からの交通手段と所要時間
●急な坂道、長い階段、雨で足場が悪くなるところはないか
●造成工事について、周囲の治山、治水を確認
●日当たりや水はけ、風通し
●お参りしやすい区画が空いているか
②経営主体の確認
墓地は、都道府県知事の許認可事業のため、民間業者には許可が下りにくく、そのため宗教法人の名義を借りて規制を免れる業者もいます。あとで倒産や計画中止などのトラブルになることもあるので募集広告に載っている寺院が本当に近くに存在し、経営主体となっているか確認しましょう。
③設備と管理状態の確認
主な設備として、駐車場、トイレ、休憩所が必要です。管理事務所や法事用の会館もあるといいでしょう。お墓を掃除するための水道栓が十分にあるか、近辺に花や線香を調達できる店があるかも確認します。使用者が支払う年間管理料は歩道や緑地、トイレなどの整備、清掃に使われます。清潔度をチェックしましょう。
お墓建立の総費用
お墓を建て納骨するまでには、左記の一覧のようにまとまったお金が必要となります。まずは総予算から確実に必要な永代使用料、開眼(かいげん)供養、納骨式の費用を引き、残りで墓石建立費などを出しましょう。予算内でよりよいプランを組めるよう石材店と相談してみましょう。
お墓の建立にかかる費用の内訳
永代使用料(墓地の使用権取得費用)
お墓の1坪は、畳半畳90×90cmが目安。公営か民営か、区画の広さや向きなどにより費用は大きく異なります。1坪10万円以上から、中には1000万円超えも。
墓石建立費
石材、大きさ、デザインによって大きく変わります。見積りを複数もらい、綿密に比較検討することが必要です。
年間管理費
3000~3万円が目安。寺院墓地では、護持会費に含まれるところと別に徴収するところがあるので要確認。
開眼供養や納骨式
建墓したときには開眼供養を行います。僧侶へのお礼としてお布施を3~5万円包みます。ほかに御車代など。納骨の際は石材店の作業も伴うので、その実費のほかに3000円程度の不祝儀を複数用意しておきます。