散骨や樹木葬は究極の墓じまい

古いお墓から遺骨を取り出したあと、お墓という形を残さないものもあります。陸、海、空など自然に還る散骨や、樹木を墓標とする樹木葬は究極の墓じまいといえるでしょう。
また、遺骨を勝手に処分することは法律違反ですが、埋葬せずに手元に置いて供養することは認められています。遺骨すべてを手元に残したり、散骨などをする際に分骨して一部を手元に残したりすることも可能です。お墓にお参りに行くのではなく、日常生活の中で身近に故人を感じながら偲びます。

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「墓じまい」の代行を依頼するときの注意点
一口に代行業者といっても、内容はさまざまです。まず、「墓じまい」のどの部分を依頼するのかを明確にします。代行の内容としては、行政手続き、書類の提出、高額な離檀料などのトラブル対処、石材店への依頼などがありますが、これらすべてを請け負える業者と一部のみ行う業者があるので事前に調べておきましょう。さらに、行政手続きは、弁護士や行政書士など専門家が必要になります。希望する内容を確実に行ってもらえるかどうか、よく検討しましょう。

墓じまいのその後供養の新しい形
●お墓を作るサービス
お墓という形がなくなっても、收人を思い浮かべ偲ぶ気持ちはなくなりません。その気持ちを最先端の技術でフォローするサービスも始まっています。
たとえば、スマートフォンの中にお墓を作るサービス。故人の慣れ親しんだ場所、思い出の場所、もしくは散骨をした場所などをスマートフォンに登録します。その場所を訪れ、スマートフォンをかざすと故人や思い出の写真、動画、メッセージなどが現れるというものです。ゲームアプリのAR(拡張現実)という技術が使われています。サービス料金は月額500円なので気軽に利用できるのもメリットです。遺骨はサービス会社が15年間保管してくれるので、あとでお墓を作って埋葬することも可能です。

●DNA鑑定
墓所・墓石販売の大手企業では、2018年、故人のDNAを半水久的に専用カードに収納し、鑑定結果を記載した鑑定証と一緒に保管できるパーソナルサービスを開始しました。
火葬されると失われてしまう故人のDNAを火葬前に採取。個人識別鑑定ができる国内最大級の民間鑑定機関に鑑定を依頼し、半水久的に保存できるカードに入れ、鑑定書とともにフォトスタンドなどに納めます。
お墓にはこだわらないが、手元に形見となる品や遺骨の一部を置きたいという希望は多いもの。その1つとして始められたサービス
です。
DNAは親や先祖から受け継いだ生命の設計図。それを身近に置けるというのも科学の進歩の結果といえます。

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