相続税の申告・納付の方法

Point!
・課税額によっては申告の必要はない
・添付書類が多いので早めの準備を。

申告と納付は、10か月以内に
相続や遺贈で財産を得た場合、申告書を提出し、相続税を納税しなくてはいけません。相続財産が基礎控除の範囲内であれば申告は不要ですが、配偶者の税額軽減措置によって納税の必要がない場合は申告する必要があります。
申告・納付が必要な場合は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に被相続人が死亡したときの住所の所轄税務署に申告し、納税します。
相続人が複数いる場合は、それぞれで申告書を作成しても全員で作成してもかまいません。ただし、全員で申告する場合は、全員の署名・捺印が必要です。

申告に必要な書類
相続税の申告書は、税務署でもらうことができます。申告書には添付しなくてはならない書類がたくさんあり、それらを用意するのにも、意外と時間と手間がかかります。左表で確認して、漏れがないように準備しましょう。どうしても時間が取れないときなどは、手続きを専門家に依頼することもできるので、相談してみましょう(→P216)。

申告を忘れたり遅れたりした場合
相続税の申告が必要なのにしなかった場合は、無申告加算税や延滞税が課せられます。10か月以内の期限に遅れないようにしましょう。
もし、遺産分割協議が完了しない場合は、とりあえず法定相続分の割合で相続したものとして期限までに申告と納税をすませます。そのときに「申告期限後3年以内の分割見込み書」を提出します。そうすれば遺産分割協議が終了したときに税額軽減を受けることができ、超過で納税した分は返還されます。
遺産分割協議が確定後、納税した額が多かった場合は4か月以内に「更生の請求」をして払い過ぎた税金の返還を求めます。
逆に不足していた場合は、できるだけ速やかに「修正申告」を提出します。ただし、修正申告をしても加算税が課せられます。

相続税の延納と物納
相続税は、現金による一括納税が原則です。ただし、相続財産が不動産や株券だった場合、現金化に時間がかかり、期限に間に合わないこともあります。そのような場合には、延納や物納という形も認められています。
延納は、相続税額が10万円を超えていて、一括納付が困難な場合に申請します。税額が100万円を超える場合は不動産などの担保が必要となります。また、利子税も課せられます。
物納は、延納しても現金での納税が困難な場合、「物納申請書」と「物納手続関係書類」を税務に提出し、税務署長の許可を受けられた場合に行うことができます。ただし、物納できる財産は限定されています。

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