葬儀を行う施設は式場や斎場、葬儀場というように様々な呼称があります。この呼び方には厳密な違いはなく、各々の施設に各々の呼び方がついている、というためこの呼び方の違いはあまり気にかける必要はありません。しかし、火葬場と斎場は施設の内容が異なります。多くの場合斎場は火葬場が併設されていないためです。
斎場は通夜や葬儀を執り行う施設を指し、火葬場は遺体を火葬するための施設です。もちろん、火葬場によっては葬儀を執り行うことが可能な施設もあり、斎場という名を持っている式場でも、火葬場を持たない施設もあります。これは、運営する団体が葬儀を行う施設の名前を規模や設備に関係なく自由につけたためです。
斎場は神道の儀式に名前の由来を持ちます。神道では社殿や境内に遺体を持ち込むことができないため、葬儀を執り行う際には前もって神社から離れたところにある斎場で神葬祭という葬儀を行っていました。現在の葬儀のほぼすべては仏式となっていますが、最上という名前に神道から続く伝統が息づいているのです。
多くの方は斎場の運営は民間の葬儀社が行っていると思っていますが、実際はこの通りではなく、寺院や自治体が運営している斎場も数多くあります。斎場の運営は葬儀社が行っているというイメージは、大手の葬儀社の名前を冠した斎場やメモリアルホールなどの施設が全国にあることに起因するでしょう。もちろん規模の大きい葬儀社でも斎場を運営していないところもあります。斎場を保有していないということは、施設の維持費や土地代を削減することが可能で、そこで浮いた費用を葬儀費用に還元している葬儀社も多くあります。
大阪市では、大阪市立の大阪市立北斎場という公営の斎場があります。火葬と葬儀の両方を行うことができます。大阪市や八尾市の方は大阪市立北斎場を市民料金でご利用いただけますが、両市以外の方は火葬のみのご利用が可能となっています。葬儀の依頼は直接や斎場案内センターを通してすることが可能となっています。どちらの依頼方法でも利用料金に変わりはありません。